2009年7月29日水曜日

バックブレイシングその1



週末中ずっとホローフォームに固定していたバックをはずしてシェイプにかかる。
「これぞルシアーの道具」というフィンガープレーナーを使い、バック・リインフォースメント(*Back Reinforcement=スプルースを横方向に合わせ継いだ、或いは一枚の薄板)の角を落としながら表面 をスムースに仕上げていきます。

ところが結構これが難しくって、いっきにV字型になるまでけずってしまったのです。
ここは強度的には「薄板が貼ってあれば良い」程度(と解釈しましたが)のものらしく、かなり薄くなるまで削り込んでも平気だそうです。
ね、師匠?
「貼ってないギターだってあるくらいだよ。 多少薄くなってもいいからきれいに仕上げときなさい」
とにかく“スムウーース”になるように仕上げましょう。ペーパーサンディングの際にはこんなガイドやマスキングテープも使ってバックを傷つけいないようにしているのだ。 御苦労!

2009年7月11日土曜日

ブレイシング

さあ、いよいよブレイシングである。

今度こそ正確なセンターラインを引き、テンプレートをあてて(もちろんトップの裏側)ブレーシングの位 置を鉛筆でなぞっていきます。 



バックはセンターブレイスの一本だけを今日は接着して終わり。


ホロウフォーム(緩い弧を描いてくぼんでいる円盤。ブレイシング接着等に使い、これによりバックが緩やかな弧描く形になる。)に乗せ天井からGO BAR(アッシュの棒)で押さえて、1時間乾かす。ところが、今日はパブに行くことになったので月曜日までこのまま放置。 しっかりくっつくことでしょう。

2009年7月7日火曜日

ロゼット

今日はローゼットまわりの加工。ブックマッチが終ったトップ材に軽くシクネスサンディングにかけた後、ドレメルでローゼットの溝を掘っていきます。ビットがたわまぬよう注意しながら彫り進んでいくと意外にらくちんですが音がカン高いので終った後「キ〜〜ン」という耳鳴りが残ります。


ローゼットに選んだのはシックなヘリンボーン。(へリンボーンとは魚の骨を模した添木細工のこと)他の生徒達はアバロニのインレイを入れていたが、ビンテージMartin的におとなしいものを選びました。アバロニ以外にも、エキゾチックな木目のバーチとかをインレイにしたものも美しい。いつかトライしたいものです。 ローゼットの後、同じくドレメルでサウンドホールを開ける。トップに”風穴”を開けてしまったらもう後へは引けない。サウンドホールの直径は 3 7/8インチを選択。 これもMartin OOO-28に準じて決めました。「僕のはみんな4インチだよ。その方が大きい音がするから」と師から誘惑があるも、ここは我慢。



接着が完了したたローゼットまわり

ローゼットを接着してら、いよいよプレーナーで最終的な厚さまでトップを削っていく。削りながら厚さを計っているのだが、何故か部分的に厚さがバラバラ。が、サンディングドラムの高さを変えないで目的の厚さまで落としていくとやがてこのばらつきも解消され、安心した。

いよいよ制作開始!

で、材料選びの後、ブックマッチです。
ブックマッチとは、ギターの左右で木目(=音の特性)が均一になるよう、一枚の板をスライスして、本を開くようにして木目を合わせる技術。


今日は選んだバック、トップ材の左右を接着し、


マーチンのOOO-28と同サイズになるようアウトラインに沿ってバンドソーを入れた。



  


材料選びに時間をかけすぎたので、今日はこれで終わり。
残業に明け暮れていたサラリーマン時代のことを思うと時間って大切だなあ、と認識しました。

明日はサウンドホールまわりの加工とブレーシングの心だあ!

2009年7月5日日曜日

材料の選定 その3

はい、これに決めました。

 


このトップ材は、シトカスプルースの材を選んだ後、たまたま地下に行ったらイングルマンスプルースを発見!
「これでもいいよ」ということなので即決定。 木目ではシトカの方が詰ったものが多かったが今までに見たマーチン社のイングルマン仕様のギターもこれくらいのものだった。

バック以上に難しかったのがサイド。 バック、トップ材に比べ比較的音への影響が少ないと言われる部分だが、色や木目をバック材とできるだけ合うものを選ぶのが基本。
それがね、案外ないんもんなんです、ぴったり合うのって。

実は、本日最大の「見っけもの」はネック。

 
「これはM社から仕入れたやつなんだけど。 ほら、こんな完璧なクオーターソウン(Quarter Sawn)には二度とお目にかかれないぜ、これ使っときな。」と言われ、頂いたもの。

確かにヒール部分の木目ときたら、教科書で「これがQuarter Sawn」と教えられるほど完璧。 ねじれている部分が全く無い。これはラッキーでした。
* 余談ですが、バターナットというマホガニーより「軽くて強い」材があり、氏は好んでこれを使っていますが、マー坊の今回のポリシーとしては
「マーチンの OOO-28と同じ材料構成で、マーチンを超えるもの」


であるので、トラディショナルなマホガニーを選ぶことにしました。
でもこのバターナット、日本では全く聴かなかった名前だが、マホガニーより全然軽い。それでマホガニー「より」強いってことだから.....おそるべし! (ところでバターナットってどんな木?)

材料の選定 その2

さて、地下から運びだしてきたバック&サイド用ローズウッドですが、(このローズウッド、「高密度」なだけあって、かなり重い。切った断面などはエボナイトかアクリルの断面のように目が詰まっている)

 

写真はブラジリアンローズウッドのブロック。 (写りがあまりよくないのです、すいません。)

「全部持ってきたからその中で好きなの選んでいいよ。木目とかタップトーンとか触った感触とか、匂いとか、時には目を閉じて選ぶことも大切だよ」

タップトーンとは、材を耳の間近で指先でノックしながら響きを確かめるテクニック。
ルシアー達は制作途中で終始この作業を繰り返し、バランスのとれたトーンがでているかチェックする。

さて、本で読んだことしかなかったタップトーンを実践する時が来た。
手作業に関しては、根拠がなくとも自身をもっているマー坊。
“やっとこの日が来たか”とニヤリとする。 あっちで師匠もニヤリ。

 

しかーし!
タップトーンって難しい。
いやあ、ルシアーの技を少々なめてました。
これだけ山と積まれた(写真は選出が進んでいる最中なので山が分かれているが、積み上げると結構すごいんだから。)ローズウッドの中から「気に入ったやつ」を選ぶのは骨が折れる。


****** ということで、マー坊的選出方法 *********

1. まずは見た目勝負

できるだけエキゾチックでワイルドな木目の材を選出。
2. 次は匂い
マー坊は自他共に認める「匂いフェチ」。 この鼻にかけて嗅ぎ分けられない匂いはない、はずです。 ローズウッド? 赤子の手をひねるも同然よぉ。ふあっはっは(悪の笑)。
3. そして響き
タップトーンも何十枚かトライするうちにほんの少し解ってきました。要するに私は細かくたたきすぎていたようです。
ある程度間隔を開けてたたくことにより、音が高くなったり低くなったりする部分が確かにあります。

材料の選定 その1


昨日就寝前に考えた末、当初の計画どおりローズウッド&スプルースの組み合わせで行くことにしました。

まずは地下の材置場を見せてもらう。


これは樹齢1000~2000年のレッドスプルース

 

お宝発見!

 

MartinCanadaが閉鎖される際、「もらった」ブラジリアンローズウッド材。ドレッドノート用にプリカットされている。

「これは40〜50年代のブラジリアンだよ。 e-bayで売ったらきっと儲かるんだろうなあ。(笑)」

ローズウッドにあまり執着心がない彼は、ことこの材に関してはラリビーから購入しているとのこと。

「知らない人から買うと、ローズウッドでもどんなものを送ってくる解らないからね」

実は今でもスペインの「どこか」に行けばブラジリアンは手に入るとのこと。

しかし「現地に行って選ばないと、とんでもないもの送ってこられたらかなわんからね。でもそれだけの為にわざわざヨーロッパまで行くか?」

M社から譲り受けたブラジリアンは何時使うのかというと、
「これに見合うサイド材が今はないんだよ。それが見つかってからだね」とのこと。 ん〜、早く作ってほしいなあ。